お気楽さんぽ

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2011年8月7日日曜日

夢まぼろしのキャンプストア

入道雲もくもくの、カァっ~と暑い、真夏の砂浜。焼きそばだ、かき氷だと、みんながお世話になった海の家。いろいろあるなかで、松の木の下などでひときわ大きく、白いペンキでおしゃれにデザインされた海の家。それが、「キャンプストア」だ。おなじ海の家でも、メニューがおしゃれで、店員がおそろいのシャツなど着ている。それが、「キャンプストア」だ。
夜になれば、加山雄三やマイク真木がライブをやっていそうな店。それが「キャンプストア」だ。

そうした「キャンプストア」の多くは、関西や関東の大学の「広告研究会」が運営していたのだ。学生たちが、「森永製菓」や「明治製菓」などと交渉し、マーケティング調査ということでお金や食材を提供してもらう。実際に現場調査し、メニューを決め、イベントを企画し、ポスターやチラシを制作し、生きたマーケティングを実践する場所と位置づけられていたらしい。

大学の「広告研究会」にとって、一年の前半の一大イベント。やたらと儲かったらしい。ここで得た収益で、論文集を出したりギャラリーで制作展をしたり、パーティを仕掛けたりするらしい。女子学生の部員も多く、夏の2ヶ月ほどの海水浴場での合宿生活は、すさまじく楽しかったらしい。

らしい、らしい、と書いているのは、僕らの時代にはなかったからだ。学生運動が激しくなり、資本主義の走狗となる広告を研究する部は、組織の中で先鋭化していくか、潰れていくかどっちかで、「キャンプストア」なんて3年ほど前から断固廃止になってしまったのであった。「キャンプストア」を餌にされて入ったクラブなのに。楽しい夏を取りあげられたボクたちは無力感いっぱいの新入生だった。

悔しくて悔しくて。ボクラの時代の広告研究会は、「キャンプストア」にかわる思い出をつくるべく、合宿旅行やパーティに徹底的に邁進した。クソぉ~! 学生運動のない今、「広告研究会」のキャンプストアは夏の海に帰ってきたのだろうか。

3 件のコメント:

  1. 確かにそういうのはなかった。先輩からチラチラ出る四方山話の中で、過去にそういうことがあった「らしい」と。しかし、それとは別に俺たち貧乏学生は、その当時はもう「学生運動」など過去の話だったし、「キャンプストア」などいう贅沢な話をよそに、ひたすら学費稼ぎのバイト三昧だった。
    今はどうだろう。
    キラキラ輝く浜辺でも、不景気の暗さが目立つという世相を反映した、なんとなく本気で楽しめない重苦しさが見える。
    更に、熱中症の危険と、今年は更に震災からの原発事故で、これも特に北の方では終わりの見えない暗闇に入ってしまった感があるね。
    でも、俺は悪いけど休暇は釣りに行く。すまないとは思うが。

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  2. そういえば漁さん、会社の連中と釣りに行ったときは、糸を切ってばかりでお世話になりました。
    半やけど状態になるまで、海で遊んだ日々も遥か遠くになってしまいました。これではいかんけど。

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  3. そんなことがありましたか。全然憶えていません。
    S研ではよく遊んだからね、ぎょうさん憶えていますよ。
    また、オモシロおかしくブログに書こうかなあと思ってます。

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